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アジアアフリカ文化財団 > アジア・アフリカ図書館 図書館利用 > 図書館ブログ
11月20日にアジア・アフリカ図書館長である西江雅之先生の講演会がありました。
今回のテーマは「新しい言語の誕生」と題して、ピジン語、クレオル語についてお話いただきました。たくさんの方においでいただき、盛況でした。
簡単ではありますが、内容のまとめをいたしました。
世界には大小様々な8,500種~10,000種の言語があるとされますが、20年以内に数百の言語が地上から消える可能性があります。現在でも、ある言語は話す人が一人しかいない状況すら見られます。言語数が曖昧である理由としては、方言が数に入っていたり、同じ言語に呼び名がいくつもあったりするからです。また、日本語のように標準語がある言語は珍しい例です。
人間の歴史は、移動と接触の歴史です。今回の話題は、接触した二種以上の異なった言語が、接触の結果、仕組み(構造)が異なった言語を生み出すことになる話です。
・ピジン語
民族移動、戦争、貿易、強制移動、奴隷貿易などで異言語を話す人同士が接触したときに、何も変化がない場合もありますが、二言語話者が登場することもあります。一方は母語、もう一方は(その場の用件のみに役立つ)第二言語という状態で、新しい言語が形成される場合もあります。それがピジン語です。場合によってはそのピジン語が全土に広がっていき、住民全体の母語になってしまうこともあります。深入りしたピジン語が住民全部の母語となるのです。それがクレオル語です。
・クレオル語 (Tok Pisin, パプアニューギニアの言語)
単語の例:
meri 女 manmeri 皆さん pikiniki man 男の子 buk 本 haus sik 病院
kaikai 食べ物(kaikai はポリネシア語)
文章の例:
わたしの妻は(体が)小さい。
Meri bilong mi i smolpela.
Meri 女, bilong は英語のof, smolpela 英語のsmall fellowから。
ここにあげたのはほんの一例ですが、講演会では他にもさまざまな文例をあげて説明なさいました。
これによって興味がわいた方は、次回のアジア・アフリカを知る集いに是非足をお運びください。
(2010.11.20 アジア・アフリカ図書館 司書 佐藤万矢子)
「寒山寺の烏は夜鳴くのか」とは、アジア・アフリカ図書館に寄せられた一般の方からのご質問で、レファレンスとして対応した。
寒山寺は中国江蘇省蘇州にある臨済宗のお寺で、日本人には観光地として有名。冒頭の質問は、寒山寺に石碑がある唐代の詩人・張継の「楓橋夜泊」(ふうきょうやはく)に関するものである。日本人にも馴染みのある漢詩で、その拓本がお土産として売られている。
さて、質問の主旨はその解釈についてである。夜に烏が鳴くのはおかしかろう。蘇州の地図を見ると烏啼山(うていざん)という山がある。「月、烏啼に落ちる」と読むのが正しいのではないのか、という疑問である。
調べてみると、この七言絶句の解釈については「月落烏啼」の箇所だけではなく、宋代の歐陽脩(おうようしゅう)が「夜半鐘声」の箇所について「夜に鐘をつくことはない」と指摘するなど、よく知られた論争がある。
寒山寺の周辺には山がないこと。烏啼山という名前は「楓橋夜泊」が有名になってから名付けられたものだという理由により、人口に膾炙した「月落ち烏啼いて」が通説になっている。夜につく鐘についても、唐代には夜間でも時刻を知らせるための鐘があったと、その論争は決着しているようだ。ちなみに、寒山寺で「除夜の鐘」を聴く越年ツアーなるものがあり、大晦日の境内は日本人で溢れんばかりだそうである。
図書館では、蔵書に関する問い合わせの他に、この類いのレファレンスサービスにも応じている。回答のための調査を外部に委嘱しない限りは無償である。
有償ではあるが、翻訳の依頼も受けている。利用して頂きたい。
(常務理事 木村、2010/11/15)